皆さんは、子どもの病気や思わぬけがにあたふたしてしまった経験はありますか?
私はわが子の病気やけがの度に、あたふたしてしまいます。特に言葉が上手く話せない赤ちゃんはどこが痛いのか伝えられないのでママも困ってしまいます。
そういう状況の中、万が一の緊急事態に備えて応急手当を学びたいと思うようになりました。
そこで、今回は消防署が実施する「普通救命講習Ⅲ」(主に小児、乳児、新生児が対象の心肺蘇生法を学ぶ講座)を受講してきました。
この講習に参加して学んだこと、ママやパパに知っておいてほしい!と思うことをまとめましたので、是非参考にしてください。
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知っておいてほしい!救命率!
参照:東京消防庁
上記はカーラーの救命曲線と呼ばれるものです。それぞれの事象発生後の時間経過と救命率を示した曲線です。
心肺停止後約3分で50%死亡
呼吸停止後約10分で50%死亡
多量出血後約30分で50%死亡
少し怖い話ですが、心臓停止(呼吸が止まった状態)から5分経過で死亡率がほぼ100%だというのが分かります。心肺・呼吸停止を確認した場合、その場に居合わせた人が、心肺蘇生法を行う重要性がわかる曲線です。
わが子に心肺停止の事態が起こることは想像したくないですが、今回の講習に参加して、わが子の命を守るために、パパやママが心肺蘇生法の重要性を認識することは極めて重要だと痛感しました。東京消防庁の心肺蘇生の紹介ページが分かりやすかったので、是非一読してみてください。
救急車が来るまでの赤ちゃん・子どもに対する処置
救急車の平均到着時間は全国平均8分~8分30秒です。
前の章で紹介したカーラーの曲線では、5分経過すると生命の危機に達してしまいます。
つまり、救急車が到着するまでに近くにいる人が早急に応急処置を行う必要があります。
そこで、下記に救急車が来るまでに行う処置を症状別にまとめてみました。
※但し、いずれの場合も心配停止・呼吸停止の場合は、すぐに心肺蘇生法を実施する必要があるとのことです。
①のど詰まり、誤飲
のどに詰まって苦しそうにしている場合、講習では救急車が来るまでにその場にいる人が異物を出す必要がある!と教わりました。救急車を呼んだ後、ただ待つのではなく、とにかく救急車到着までにその場に居合わせた人が異物を取り除く必要があります。
但し、誤飲の場合吐かせない方がいいものもあるため、あらかじめパパやママにはいざというときに対策を見れるサイトやプリントを常備しておくことをおススメします。
誤飲受信時に伝えること
・誤飲した物(同じ物があれば、持って行く)
・個数や量
・場所と時間
・応急処置の有無と内容
・嘔吐や腹痛の症状の有無
誤飲で吐かせてはいけないもの
◆硬貨や小さなおもちゃ、ピアスなどの装飾品、ガラスや針などの尖ったもの、またボタン電池や磁石を飲み込んでしまうと胃に穴があくことも。この場合も無理に吐かせずに受診しましょう。
◆緊急性の高いもの
灯油、ガソリン、シンナー、マニキュア除光液などは、絶対に吐かせてはいけません。
「容器に「酸性」または「アルカリ性」と書かれている製品(例えば、ネズミ駆除薬、トイレ用洗剤、苛性ソーダ、アリやウジ駆除用の殺虫剤(クレゾール)、業務用漂白剤等)、花火、防虫剤(しょうのう)、除草剤、抗うつ薬、脱毛剤・除毛剤を飲んだ場合、 緊急を要しますので救急に電話をすぐにしましょう。
※上記の赤字のものは絶対に吐かせてはいけません!
http://kodomo-qq.jp/jiko/index.php?pname=jiko_goin (参照:公益社団法人 日本小児科学会)
また、下記サイトから吐かせないものリストと対処のチラシが閲覧できます。
https://oshiete-dr.net/pdf/2019goin_fix.pdf(参照:佐久医療センター小児科外来)
1歳以上のお子さんの場合は腹部突き上げ法、背部叩打法の両方を併用し、1歳未満の場合は頭部を下げ、胸部/背部突き上げ法を行う必要があります。(参照:日本医師会)
②やけど
服をきたままの状態で流水で痛みがなくなるまで冷やします。(最低5分間以上)
注意点として、冷やしすぎて低体温にならないよう注意する必要があります。また、消防団の方が時々見る光景として、市販の冷えるシートを貼って救急車を待っている方がいるようですが、熱傷の冷却用に使えないことを覚えておいてください。
③溺水
大きな声で呼びかけて反応をみます。顔色が悪い、意識がない、呼吸をしていないといった場合、叩いたり刺激したりしましょう。反応があったら(泣き出す等)落ち着いて体を拭き、服を着せてから受診をします。もし、反応と呼吸がなければ、直ちに心肺蘇生を開始し、救急車を呼びます。
溺水は海や川での発生が多いと思われがちですが、1歳前後では家庭の浴槽で起こることがとても多くなっているそうです。家庭での溺水は、子どもだけでの入浴、おかあさんの洗髪中、ちょっと着がえを取りに行った、電話に出たなどのほんのわずかなすきに起こっています。たとえ短い時間だとしても、子どもを浴室に1人にするのは絶対に止めましょう。また、トイレでも発生する可能性があるので、トイレのフタ、ドアはきちんと閉めるようにしましょう。
④落下事故
意識や反応があるか、出血箇所はないか、どこを打ったかを確かめます(落ちた時を見ていない場合は打った箇所の特定は注意が必要です)。
もし痛みを訴えたり、出血していたり、意識がない場合には、すぐに救急車を呼びましょう。救急車が到着するまで痛みを訴える箇所を温めずに冷やしてください。もし、反応と呼吸がなければ、直ちに心肺蘇生を開始します。
打った箇所によって処置が異なったり動かさない方がいい場合があるので、すぐに病院や119へ連絡し、救急隊員の指示に従う必要があります。
時々、ケロッとして何事もなかったかのように遊んでいる場合がありますが、もし体の中に損傷があったら、徐々に状態が悪くなっていきます。激しいあそびはやめさせて、静かに様子を見てください。何事もなさそうでも必ず病院を受診しましょう。
⑤熱中症
意識があるか、自力で水分補給が可能か確認します。意識がない場合は直ちに救急車を呼びます。
意識がある場合はまず、涼しい場所に移動させ服を緩めて身体を冷やします。氷がある場合は脇に挟むなどの対策が有効です。
自力で水分補給できれば水分補給をさせ休憩して回復状況を確認します。自力で水分補給ができなければ医療機関を受診します。
救急隊員の方が言っていましたが、
「なにかと救急に連絡するのを躊躇しがちですが、どうしたらいいかわからない場合は、とにかく連絡をいれてください。」とのこと。
AEDの設置場所を確認しておこう
AEDとは、自動体外式除細動器のことをいいます。誰にでもできる簡単な操作で「心室細動」といった死につながる危険な状態のときに心臓に電気ショックを与え、心臓停止状態からの生存率を改善する機器です。
心肺停止の状態になった場合、胸骨圧迫をするのとしないので救命率は約2倍違います。さらに、AEDを用いて電気ショックが行われれば、約6倍の人の命が救えるそうです。
皆さんはAEDの使い方を知っていますか?私は、今回の講習で初めてAEDを手にしました。
講習を受ける前はAEDの使用はハードルが高かったですが、AEDは誰でも使用できる!ことを実感しました。一度も手に取ったことがない人でも機械自体からガイダンスも流れるので、問題なく使用できます。
是非、防災の備えを確認するのと同じように、家の近くのAEDの所在を確認してください。また、それに加えて旅行先(特に海や川などに行く場合)でのAEDの所在も確認しておくと安心です。AEDの所在はインターネットで簡単に確認できますので是非調べておくことをおススメします。
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受講可能な消防署紹介
各都道府県の消防署では、救命処置に必要な知識や技術を学び、しっかりと身に付けておくために無料で救命講習を行っています。ぜひ皆さんも受講してみてください。
私たち、そして自分の子どもは、いつ、どこで、突然のけがや病気におそわれるか予測ができません。このような時、病院に行くまでに家庭や職場でできる応急手当はとても重要となります。意識が無くなって、呼吸や心臓が止まってしまうような重篤な場合は、救急車が来るまでに何らかの処置をしないと命は助かりません。
まずは予期せぬ事態に遭遇したときに、応急処置ができる知識をパパやママに身に着けておいてほしいと思います。
参考文献:救急振興財団「応急手当講習テキスト」
(ライター マギー)
現在、外国人の夫と元気いっぱいの1歳の娘に振り回されながら日々育児に奮闘中。
分からないことはネット情報、育児本などで情報収集することが日課になっています。最近は手芸でヘアアクセ作りにハマっています!
親と子が笑顔でいられる子育てを目指しています。育児での体験、困ったことや解決策を共有できたらなと思っています。